思えば20代前半。
6帖一間、風呂なしトイレ共同という
貧乏でトラブル続きだった今の生活を
模型で再現してみようと思ったのがきっかけでした。
紙粘土や油粘土を使って人形を作り
部屋を厚紙やボードで再現しようとして
いろいろ試した結果、
1/20サイズにしようと決めたのでした。
(その時の画像は見つからなかったので割愛です、すいません)
このときはまだ、建築模型という仕事に就く前でした。
それから時間はすぎて30代の前半。
「そうだ、1/20の大きさの人形と部屋を作るんだ」
と思い返して作ったのがこちら。

不気味。
僕が作りたかったのはこれじゃない。
ということで、また苦難の道へ。
いろいろと作り直したり造形や粘土を変えたり。
そして、人生で何度目かの貧乏と資金不足。
さらに時は過ぎ、最初から勉強し直す。
針金で芯を作り、油粘土で造形をするという
基本に戻る。

これを元に、オーブン粘土(スカルピー粘土)で造形。
フィギュアの作り方を学ぶ。

いやまてよ。
このフィギュアでは関節の可動ができない。
僕が作りたかったのはこういうフィギュアじゃない。
もっと自由に動かせるもの。
もう一回、基本に戻ろう。
そうだ、厚紙で作れば、関節を折り曲げて動かせるかも。

カラーケントの厚い紙を人型に切り抜いて
組み合わせたのち、布で洋服を作り、
粘土で頭部のみ造形してみた。
ずっと試行錯誤。
そうじゃないそうじゃないそうじゃない。
もっと、なにか、自分が思い描いていた表現に
近づく方法があるはずだ。
それからさらに数年。
玄関暮らしの主人公「だいちくん」1号。

玄関暮らしの漫画を続けながら
さらに試行錯誤を繰り返す。
玄関暮らしは丸2年続けていたけれど
物語の終盤には、さらに進化をした人形たち。

玄関暮らしが終わったあとも、人形については
悩みながら、時間を見つけては修正を加えていき
変化させていき、可能性を探る。

さらに、服の作り方も変化していき、
技術を学び、工夫をし、悩み続ける。

このあと、どうしても関節部分が弱くて
立っていられなくなる状態になったので、
精密ネジに変化。
関節部分に金属が入ることで良くなったものの・・・

左側が、精密ネジで関節を固くした人形。
今度は関節が硬すぎて、
動かしていると他の部分が破損してしまう現象に。
右側の人形は、以前までは脚の可動にクセがあったので
股関節の可動を修正したもの。
表現力は向上したものの、今度は
股関節が自由に動きすぎるので立たせるのが難しくなった。
こうして、もうずっと1/20サイズの人形と向き合っている。
最初の構想は20代前半。
ずっと、作っては修正し、廃棄して新しい人形を作っては修正、廃棄。
そのあいだ、何回も地獄を見たし、苦しんだ。
いつまでも完成はしないんだろうけど、
そろそろ、なにがしかの報酬を得たいと思うのだが、どうでしょうか?
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